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<ヴェーダに基づく6つの哲学体系>
〜六派哲学〜


 インドの哲学のうち、ヴェーダを権威と認めて体系化された6つの学派の思想を「六派哲学」と呼んでいます。 これらの学派はそれぞれ異なった方法で解脱への道を探求しています。 インドの伝統的な考え方においては、人間の究極的な目的を輪廻からの解脱としているからです。 その目的を達成するためにさまざまな方法が思索されてきましたが、これら「六派哲学」は、ヴェーダに基づいた正統派の思想体系とされています。

 ここでいう「哲学」は、原語(サンスクリット語)では「ダルシャナ」です。 これは、「見る」を意味する動詞語根「ドリシュ」から派生した名詞で「洞察」「観察」「見解」という意味もありますが、この6つの思想体系を表す場合には「シャッド・ダルシャナ」として、「6つの哲学的体系」を意味します。

 これら6つの学派にはそれぞれ開祖と根本経典が明らかにされています。 その根本経典は主に「スートラ」と呼ばれる短い韻文からなっており(サーンキャ学派の根本経典のみ「カーリカー」)、非常に難解なため、そのまま読んで理解することはほぼ不可能です。 そこで、古来より多くの哲学者、思想家たちが「スートラ」に対して様々な解釈を試み、それらを「注釈書」という形で残してきました。 これらの「注釈書」を手がかりにして「スートラ」に秘められているエッセンスを理解しようとし、また「注釈書」をさらに解説する「注釈書の注釈書」というものまで書かれるようになりました。 そして、彼らは注釈書によって自らの主張、解釈を論じてきたのです。 このように長い年月を経てもなお、六派哲学の根本経典は姿を全く変えずに現代まで受け継がれてきています。

 この6つの学派は、2学派ずつペアになり姉妹学派と呼ばれています。 その組み合わせは以下の通りです。 ニヤーヤ学派とヴァイシェーシカ学派は論証学と自然哲学により神の存在の証明と解脱の方法を探っています。 サーンキャ学派とヨーガ学派は理論と実践により解脱を目指します。 ミーマンサー学派とヴェーダーンタ学派は最もヴェーダに権威を認め、祭事学とウパニシャッドの哲学的考察によりブラフマン(梵)との合一を説き解脱へ導きます。 

 この哲学体系が成立したのは一般的には紀元前3世紀頃から紀元後4世紀頃と記述されていますが、これらの年代は後年西洋の学者によって研究されたものです。 インド人の歴史的観念では年代というものを重要視していません。 それぞれの開祖がいつ生きていたか、根本経典がいつ書かれたかといった確定的な記述は古代インドの文献に見つけることは困難です。 従って、管理人もそれぞれの学派の成立年代、開祖の生没年などにはあえて言及しておりません。

 下のそれぞれの名前をクリックすると個別の概説をご覧いただけます。(ただいま工事中)
 なお、個々の学説は非常に深遠であるため、それらを詳しく述べることは管理人の能力を超えております。 故に一般的な概説に止めてあることをあらかじめご承知ください。
 
ニヤーヤ  −−  ヴァイシェーシカ

サーンキャ −− ヨーガ

ミーマンサー −− ヴェーダーンタ

参考文献:
『ヒンドゥー教の事典』橋本泰元・宮本久義・山下博司著、東京堂出版、2005年
『インド思想史』早島鏡正・高崎直道・原実・前田専学著、東京大学出版会、1982年
『インド哲学仏教学への誘い』菅沼晃古希記念論文集刊行会編、大東出版社、2005年
『世界の名著1・バラモン経典/原始仏典』長尾雅人編集、中央公論社、1969年

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